仕掛け：ミミズエサミャク釣り 天気：晴れ
釣果：1尾（22cm）
朝、目が覚めました。「ああ、いい朝だ。腹減った」
でも。ふと気がつきました。「あれ？昨日は・・・？」記憶がない。どうやって宿まで帰ってきたのか？どうやって部屋に入ったのか？よく見ると、服は脱いでいるようです。
しばらく、記憶を呼び戻す努力をしてみましたが、何も思い出せません。諦めて、トイレに立って、歯を磨いて、荷物の整理をしているうちに、なるせさんからの電話がなりました。
それからすぐ、宿に迎えに来てもらって、今回最後の秋田釣行へ向かいます。
今日は、奥の深い渓流へ行くとのことです。途中のコンビニで、飲み屋のマスターと、昨日一緒だったお客さん達と会います。
車を連ねて、川へ向かい、途中の広場で一旦停車。マスター達は、これから車でずーっと奥まで入って、それから歩いて2時間という、奥の奥まで行くそうです。私となるせさん、それから店のお客さんのIさんは、手前で釣ることになりました。
入渓ポイントを探しながら、車で上流へ向かいましたが、途中で先入者の車を発見。その先は、かなり行かないとＵターンポイントがないので、さっきの広場に引き返します。
着替えて、スタート。今日は、なるせさんは仕事があるし、私は昼の電車に乗らなければならないので、ささっと釣って、ささっと上がらなければなりません。
薮の中を通って、川に出ると、目の前が淵。いかにもいそうな場所だ。この「いかにも」というのが、不吉。これまで何度、「いかにも」で泣かされたことか・・・
3日間でボウズ、なんてことにならないように、なるせさんが丁寧にガイドしてくれる。「体低くして、目立たないように」
仕掛けは提灯。上には気が覆いかぶさっている。振り子の要領で、瀬の掃き出しの流れの脇にエサを入れる。そのままゆっくり流していく。1投。2投。アタリがない。
今日も、2投ごとに場所を移って行く。この淵は、1回では流しきれないので、少し場所を移して、同じ淵を流す。
と、コン、ギュッ！キタ！さっと合わせる。が、エサだけが水面を割った。何度も言われているのに、早アワセが治らない。これをガマンできないと、成瀬のイワナは釣れないのに。
今日こそは、何が何でも釣らないと、恥ずかしくて帰れない。
流す筋を変えてみる。すると・・・
目印が止まった。すーっと引き込まれる。ググッと手元にアタリが来る。それを待って、待ちに待って、手首を返す。グググググ！確かな手応え！やっと、釣れた！！引きは鋭く、硬調の竿がぐわっと曲がる。すでに何尾か上げていれば、落ち着いて引きを楽しめたのだが、虎の子の1尾。バラしたら大変、という意識が先行する。竿を立てたまま、木に引っかけないように注意しながら、ずりずりと後ずさりして、岸にズリ上げる。
やった！きれいなイワナだ。やっと手にしたキープサイズ。うれしい！まだ始めたばかり。今日こそは。
それから、数回流したが、取り込みが拙かったためか、まだ居そうなのに、アタリなし。次行ってみよう。
期待しながら移動して行くも、アタリがない。淵も、瀬の開きも、堰堤の下の絶対ポイントも。なかなかうまくは行かないものだ。
小さな淵で、目印が止まったのを確認して、しばらくしてから竿を立ててみたら、12cmくらいのおチビチャン。「遊ばれてるなあ」と、なるせさん。
う〜ん、釣れない。時計を見ると、10時25分。最後のチャンスで、大堰堤に出る。
人がいないので釣り下ってきたのだが、この堰堤は、巻けない。上から仕掛けを下ろす格好になる。提灯仕掛けの短い糸なので、6.3mの竿を一杯に伸ばして、ぎりぎり探れるところだ。新たに仕掛けを作っている暇はない。
上から覗くと、両わきがえぐれており、出そうな雰囲気。おうっ、震える！
しかし、この震えの震源は、武者震い、ではない。いわゆる、ブルッてる、というやつだ。
だって、恐いんだもん！8mくらいある堰堤の上、水が流れているコンクリの上、そこから釣るのだ。初日の堰堤のような藻はないので、滑ることはないのは分かっている。なるせさんも「大丈夫、滑らないから」と言ってくれているが、いかん。高所恐怖症なのだ。吸い込まれそうなのだ。もし、ここで魚が掛かったら・・・大きいヤツだったら、夢中になって、あちこち動いて、その拍子に足を滑らせて・・・あぁ。
足をすくませながら、それでも自分としては目一杯前へ出て、竿を下ろす。集中しているときはそれでも、恐怖はあまり感じない。でも、ちょっとした隙に我に返ると、腰が引けてしまう。
そんな私を見かねて、「もっと前に出なよ」と、なるせさんがベルトをつかんでサポートしてくれた。それで少しは落ち着いて、それでもまだビビりながら、粘る。右の巻き込み、左の巻き込み、流れ出し。最後だと思って、何度も流す。
予定の時間をちょっとオーバーして、もう釣れない、と観念。ゲームセット。
予定では、大曲12:12発の秋田新幹線に乗るはずでした。しかし、ここから大曲までの道のりを考えると、ギリギリの線。なるせさんの仕事もあって、厳しそうとのことです。楽しさで時間を忘れてしまいました。
結局、なるせさんに、北方まで送ってもらうことになりました。
途中で、うまかった酒「雪月花」をお土産に買って、一気に北方へ。
楽しい、楽しい、秋田でした。渓流では見事な惨敗でしたが、今度は、アユ。アユで敵討ちだ！（返り討ちにあったりして）
 |
|
|
 |
|
撮る向きを間違えた・・・頭を写さなきゃ |
 |
|
成瀬川にもダム建設計画があるとか。 こんな素晴らしい流れが、山の稜線まで水の底に・・・ |