河川：那珂川 場所：鍋掛（栃木県黒磯市） 時間：8:30〜18:00
天気：晴れ 水量：増水 水温：16〜20℃ 水質：やや濁り
人出：少ない 釣果：11尾（14〜20cm）今年の解禁は、栃木の実家で用事があったこともあって、那珂川で竿を出すことになりました。
那珂川も、今年は遡上がいいようで、アユは沢山います。でも、ずーっと水不足で、アカ腐れ＋青ノロ。状況は良くないという前評判でした。
それでも、好きな那珂川で解禁に釣れる、というのは、嬉しいものです。父親は、解禁の混雑を避けたい、ということで、渓流釣りに行くということでした。6時に起きて出発するらしいので、一緒に起きることにしました。
携帯の目覚ましを6時にセットして、ぐっすり就寝・・・・・・まだ薄暗いのに、携帯がなっています。時計を見ると、4時過ぎ。目覚ましセット間違いかな？と、そのまま寝てしまいました。
・・・今度は、5時過ぎ。う〜ん。あれ、何時にセットしたんだっけ？
よーく聞いてみると、これは、目覚ましの音ではありません。着信音です。こんな早くに、誰？出てみると、ネット仲間のオサムさんでした。
「いま喜連川です」
さっき、目覚ましのセット間違いだと思っていたのも、オサムさんでした。千葉から出てきています。さすが、早い。
何をしゃべったか、良く覚えていませんが、電話を切ってから、また寝てしまいました。さて、予定通りに6時に起床。ゆったりと朝食をとり、新聞に目を通してから、おもむろに出発です。
前日までに、結構な雨が降ったので、川は増水しているという情報がありました。そうなると、濁りの出る工事はほぼ終わったといっても、その残りの泥が流れます。水害の被害の大きかった余笹川、黒川からの濁りで、黒羽より下流はダメだろう、と勝手に予想しました。
しかし、万が一、ということもあるか、と、黒羽町裏を通って、余笹川出合いの上を目指しました。
案の定、黒羽地区は濁りが出ていました。人も少なく、町裏では小さい支流の湯坂川に入っている人までいました。
漁協に電話をして聞いた話では、鍋掛付近まで遡上している、ということでしたので、そこを目指します。まずは、昭明橋の上から、釣り人の状況を見ます。ガラガラ。解禁だというのに、ほとんど人がいません。神奈川の川の終盤でも、もっといる、というほどです。なぜ？前評判の悪さが幸い？災い？したのでしょうか。
不審がりながら、駐車スペースに到着。オサムさんはもう釣り始めているか、と冷やかしに電話をしてみました。ところが、まだ場所選定中とのこと。参考にしようと思ったのに。
ここの状態も、悪くはなさそうなので、そのまま川に下りることにしました。
それにしても、人が少ない。見渡すかぎり、4人である。
瀬の落ち込みの淵にいたおじさんに聞くと、「全然釣れないね。朝からやってるけど、みんなほとんど掛かってないよ。水温が低いからねえ」
その言葉を裏付けるように、瀬で釣っているおじさんたちは、気合いが入ってない格好。それで、人がいないのか。妙に納得してしまう。とりあえずやってみよう、と思い、まずはセオリー通り瀬肩に移動。水温を測ると、なんと16℃。冷たすぎる！
十分に手を冷やしてから、そっとオトリを取り出し、ハナカンを通す。思ったよりもすんなり。逆バリを皮打ちするのにちょっと手間取ってしまったが、久々のオトリ扱いとしては、上出来。
淵からチャラへと変化し、さらに瀬に落ち込む、チャラと瀬の境目に立ち（正確には、しゃがみ）、オトリを放つ。
この養殖ちゃんの調子は、すこぶる良い。ぐんぐん上る。が、上りすぎる。解禁で、私も浮かれているが、オトリも浮かれているらしい。
一旦引き戻して、横に送り出す。目の前にある石の頭を通して、その先の石の脇をかすめて、そこから方向転換して、上の石の裏に入れる。完璧なルートだ。頭の中では。
ところが、これが、当たった！2つめの石のそばに行ったとき、水面から10cm上にあった目印が、一瞬水中に引き込まれ、さーっと下流へ。あらっ？掛かった。手元にアタリの感覚は伝わってこなかった。低水温のせいか、アタリが極端に弱い。
じっくりとためて、アユを水上に浮かす。久々なので、抜きの感覚が分からない。片手抜きになって、コントロールが定まらない。なんとか手元に飛んできたが、今度は、タモの角度がよろしくない。やや斜め上に向いていて、あやうく受けそこなうところだった。
小さいながらも、今年初のアユちゃんは、美しい魚体。今年もよろしく！まだ同じコースで掛かりそう。掛かったアユにハナカンを通して、送り出す。調子よく泳いでくれるのだが、しかし、掛からない。
今度は、下流に向けて、瀬の始まりの辺りを攻める。今度も、オトリとなったアユちゃんが頑張ってくれる。しばらくしてから、石の脇の溝で、ガ、というアタリ！（ガガガン！とまではいかなかった）今度のは、元気よく引っ張ってくれる。解禁日から情けないが、アユに付いて、3mほど下って、抜く。20cmの良型だ。思わず、ニンマリ！なのだ。ここまで、比較的短時間に2尾を上げた。今日は、どんなに悪くてもツ抜けはしそうだ。下手すると、20を超えるかも。・・・なんてこと考え出すと、いけない。
それから、長い時間、アタリがない。オトリが弱らないように、手の内でローテーションさせながらのやりくりである。
久々に、キラッ、ギューっというのがあった、と思ったら、底バレ。
それからまたしばらくして、ガツン！今度は明確なアタリ。引きも強い。慎重にためて、えいっと抜く。まだ、引抜きに体が慣れていないのである。慌てるのである。下流からの風もあったのだ。と、これだけ言い訳をすればいいかな。
受けそこなった。掛かりアユはタモに入ったが、天然オトリは、どこかへ・・・ハナカンの上から切れたのだった。今年は、ハナカンまわりを一新。できるだけ細くしようと、ハナカンに0.25号のナイロンを直結。この結びの部分から切れていた。
ハナカンまわりを取り替えて、気分も入れ替えて、オトリも替えて、GO！
ややあって、キラッ！一新効果。ゆっくり竿を立てる。アユが、すーっと浮いてくる。一尾だけ。あ〜、またバレた。仕掛けが合わないのか、釣り方が悪いのか、さっぱりである。こんなときは、ポイントを変えるのがいいだろう。
オサムさんの様子が気になったので、電話をしてみる。新晩翠橋の下へ入ったようだ。とりあえず昼になってから、どうするか決めようということで、電話を切った。川を見渡すと、下のガンガン瀬が空いたので、そっちへ移動。
途中、河原で休んでいたおじさんに、「どうですか？」と声を掛けてみた。「全然ダメだね。朝からやってっけど、5匹しか出てないよ」やっぱり、みんな調子悪いらしい。さて、下の瀬に到着。流れは強いが、石が大きいので、所々にたるみができている。その一つ一つにオトリを入れるつもりで、探っていく。
ちょっと待って、待望の、ギューン！瀬の流れを、オトリを引っ張って上ってゆく！こういうアユは、取り込みやすい。たるみに誘導して、抜く。20cm級。遡上が良い割に、型も良い。
ところが、それからが良くなかった。大きな石裏のたるみで、入れ即の掛かりがあったが、抜きを焦って、石の向こう側から強引に抜いたら、ポロリ。これも型が良かったのに・・・さらに、次のアタリも、底バレをやらかす。はあっ。
時計を見ると、昼過ぎ。そろそろ昼休みにしよう。晩翠橋に行っているオサムさんは、どうだろうか？この時点での釣果は、忘れてしまったが、私と同じくらいだったと思う。型は良くないようだ。それなら、こっちの方が、大きい分よかろう、ということで、こちらで合流することになった。
オサムさんを待つ間、オニギリを食べながら、周囲の釣れ具合を観察。ほとんど竿が曲がらない。ただ一人、下流の瀬で、対岸から竿を出しているおじいちゃんだけ、ポツポツ掛けている。腰を曲げるのが辛いのだろうか、ずいぶん長い柄のタモを持って、寄せ取りをしている。取り込んだ後は、岸に竿を置いて、のんびりオトリ交換である。昔ながらの手法である。そんな余裕があるから、逆に釣れるのかも知れない。
そうやって暇をつぶしているうちに、オサムさん到着。発泡酒を御馳走になり、またちょっと休憩。午後は、再び瀬肩のチャラに入る。
すぐに、来た。15cmに満たないチビちゃんだったが、幸先はいい。次も、5分後くらいに来た。午後になって、水温は19℃になっている。活性が上がってきたのか。
でも、アユの活性が上がっても、掛かりが弱いのは、変わっていなかった。掛かってはポロリ、掛かってはポロリ。ハリを太いのに替えても、細いのに替えても、早掛けタイプにしても、キツネ型にしても、トンボにしても、バレが止まらない。
こうなったら、ハリの型にたよらず、アユの引きでハリの食い込みを深くしてもらうしかない、と、また下の瀬に移動。今度は、淵に落ち込む手前の、一番きつい流れを攻めてみる。
入れて、すぐ、ガツン！こんなに早く来るとは思ってなかったので、対応が遅れた。幸い、引きはそれほど強くない。しかも、すぐ下は淵になっているので、10mほど付いて下って、大事に取り込む。18cmくらいのまあまあのアユだ。やっぱり、瀬の方が、掛かりは深いようだ。
しかし、その推測は、外れた。アユもよく外れた。瀬でも、バレは止まらない。さらに、しっかりハリ掛かりしたと思ったら、ハナカン上から切られて、親子放流なのである。な〜にをやっとるのか。
いい加減、自分でもあきれたので、ずっと下流まで探ってみることにした。淵は釣れそうにないので、昭明橋の真下のチャラ瀬を攻めてみる。橋の上から見ると、アユはいっぱい見えるのだ。
ところが、アプローチに失敗。バシャバシャとポイントに入っていってしまったため、アユが散ったのか、ピクともしない。空も一転掻き曇り、雷でも来そうな雰囲気だ。一旦上へ戻ったほうがいい。しばらくすると、オサムさんが竿をたたんで、お帰りのようだ。これから、新晩翠橋下の河原にテントを張って、野宿の準備だそうだ。タフである。
オサムさんが去って、川は寂しくなった。ふと周りを見回すと、午後になって増えてきた人たちも、いつの間にか少なくなっている。時計は午後五時。今日は、ツ抜けせずに終わってしまうのか。
しかし、ここで諦めてはいけない。さっき一人だけ釣れていたおじいちゃんも、もう帰った。では、その場所に入ってみよう。
これが、大正解。おじいちゃんのポイントを見る目が正確だったのだろう。相変わらず、バレが多いが、入れ掛かりもあり、暇にならない程度にアタリがある。一日の半分の釣果を、ここで稼げてしまった。アユ釣りは、一に場所なのだ、ということを再認識。
薄暗くなって、他の釣り人も帰り支度をはじめたので、私の解禁の釣りも、ここであがりとした。
はじめに書いたように、今年の那珂川は、遡上量が多いそうです。でも、追わなければ掛かりません。昨日までは、大渇水で高水温。それが、今日になったらいきなり増水で低水温。アユにとっては、たまったもんではありません。人間なら、風邪引いちゃう。
天気を恨みたいところですが、こんな状況でも、釣る人は釣るんだし、自分の未熟さを恨まなければなりません。特に、今日は、掛けたアユの半分しか取りこめませんでした。20尾近く掛かったのは、0.05号という極細糸と、細目のハナカン上の糸のおかげです。でも、取りこめないんでは、全く意味がありません。ポロポロ・プチプチ、どうしようもない。
帰り際に一緒になったおじさん達にも、「あんちゃん、何号の糸使ってんの？・・・0.05号？それじゃ細すぎんなぁ。ずーいぶんしんだいぶってたもんね」などと言われてしまいました。
（しんだいぶつ、とは、この辺の方言なのでしょうか。高切れで親子どんぶりをやらかすことを言うようです。私も地元の人間なのですが、語源はよくわかりません。「身代」から来てるのかな？）
実際は、0.05の新素材糸ではなくて、ハナカン上の0.25のナイロンがやられたのですが。
また、仕掛け考えなくちゃ。明日は、インターネット仲間が、那珂川に集まってくるのですが、私は家の用事があるため、釣りができません。金・土・日の解禁三連荘の天国は味わえませんが、仲間に期待を掛けて。
明後日に向けて、気力をためておくことにしますか。