河川：中津川 場所：愛川橋上下（神奈川県愛川町） 時間：12:00〜18:00
天気：くもり時々晴れ 水量：やや増水 水温：18℃ 水質：澄み
人出：少なめ 釣果：5尾（16.5〜18cm）昨日の状況から、瀬でも釣れる、と予想して、長い瀬のある愛川橋へやってきました。
橋の下の浅トロの右岸にたまっていた砂は、大水で流れたようで、元の岩盤が顔を出していました。瀬もきれいになっただろう、という期待もありました。
河原に下りた目の前の瀬は、ちょっとだけきれいになったような気がします。
ここも、ほとんどアカが飛んでいますが、残りクサレアカもしっかりついています。ポイントの絞り込みが、難しそうです。
まずは、目の前の瀬の瀬肩から。瀬脇のゆるいところで、養殖ちゃんを流れに慣らそう、なんて思っていたら、自ら流れのある瀬の中に入っていった。おいおい、大丈夫かい？という私の心配をよそに、グングン上っていく。近頃の養殖アユは、強くなったものだ。
でも、オトリが強いからって、釣れるかどうか、となると、また別問題。上に泳がせたり、下で止めたりと、いろいろ探ったが、アタリらしい目印の変化は現れなかった。見切って、この瀬の下のトロ瀬に移動。すごく釣れそうな予感。
でも、釣れそうな予感がしたからって、釣れるかどうか、となると、また別問題。（どっかで見た文章？デジャヴュでしょう）
ここでも反応なし。さらに、対岸に渡って、同じところを執拗に、でもないけど、ちょっとだけ泳がせてみる。右からやっても、左からやっても、効果はなかった。
どこで釣れるんだー？
オトリを引き舟にしまって、ゆっくり川を見ながら、下へ移動。
と、対岸の波除け上の瀬肩で、おじさんが掛けたのが見えた。そういうところで掛かるのか。
目の前に入るのは憚られたので、この下の波除けの上の瀬に入ってみた。
ここでも、オトリだけは元気。無人、いや、無鮎の境を行くが如しである。
この場所も、早々に切り上げて、さらに下の波除けの上の瀬へ移動。左岸の瀬肩から泳がせていくと、まっすぐ立っていた目印が、一瞬左上がりに倒れ、再びまっすぐ立ち、右上がりになる。ホーウ、ホーウ、ホーウ！やっと、掛かった！
すぐ下は、ガンガンの瀬。入られたら、急勾配で、草ぼうぼうの河原を走る羽目になる。切れるなら切れよ！とばかりに、踏ん張る。という気合いを入れたのだが、ガンガンに落ちる寸前の石の前を通って、すんなりと寄って来た。ちょいとばかし、拍子抜け。
釣れてきたアユも、まっ黄色とは言い難い。大増水の影響が、まだ残っているのかな。 それでも、オトリが代わってから、しばしの極楽タイムに突入。
手前から、真ん中、対岸のヘチと、ほとんど動かずに、7連続ヒット！一回の親子ドンブリがあったので、7-1=6尾にしかならなかったが、ホクホクであった。
最後の7尾目がシシャモサイズで、オトリにならない。これでアタリがストップ。釣り切ったと判断して、下へ移動。普段は、めったにトロには竿を入れないのだが、短時間に大増水と引き水を繰り返すような異常な状況なので、とりあえず、探りの意味で、桜並木の下のトロで釣ってみた。
はじめから期待はしていなかったが、当然のように、掛からず。ただし、ハミアトは多かったし、アユの姿も見えたので、トロが得意な方には良かったのかもしれない。
10分くらいで見切りをつけて、下のチャラへ。残りアカなのか、新アカの付きはじめなのか、丁度良さげな状態。と見た私の判断は、誤りであったのか。
ピリとはしたが、シシャモサイズちゃん。と、カジカ風の魚のみ。チャラの練習と、ストレスを耐えながらしばらく竿を出していたが、こらえきれずに、上に移動してしまった。やってきたのは、7尾掛かった瀬の上の瀬。さっきは音沙汰なしだったが、時間がたって、そろそろ掛かるか？の期待。
期待しているときが、一番幸せ。全てが期待通りに行くわけもなく、返り討ちにあってしまった。日が傾き、そろそろ周りの釣り人も少なくなってきたので、最後の望みを掛けて、愛川橋の上の瀬へ。
夕方とはいえ、誰もいない。深い瀬で、どう見ても釣れそうなのに。
そんな疑問を感じつつ、瀬尻にオトリを入れてみる。0.05号の糸は、いい。竿を立てれば、オトリが自ら荒い瀬を上る。そして、沖へ出る。
そして、狙っていたポイント、大岩の裏へオトリ到着。ここで待てば、掛かるだろう。
やがて、ビクビクビクン！グルッ！おっ、アタリだ。
ゆっくりと竿を立てる。なかなか浮いてこない。それでも、じんわりと竿を絞っていくと、伸びのないハイテク糸なのに、伸びるような感覚。こ、これは！根掛かりである。しかも、石に引っかかったのではなく、人工的なゴミに掛かったときの感覚だ。これでは、どんなに竿を動かしても外れない。
幸い、一番深いポイントではない。流れはきついが、今までの経験上、あの位置なら、なんとか回収できる。
一応、引き舟だけ外して、川に入って、回収に向かう。ズボ。ズボ。大岩の前まで、ヘソの下まで水があるが、何とかアプローチ成功。あとは、石の脇のキツイ流れを越えれば、たるみに入れる。
意を決して、足を踏み出す。みぞおちまで水が来る。水圧がすごいが、岩に手をついていれば、なんとか耐えられる。あと一歩で、石裏だ。と思ったその時！腰に挿していたタモが、流されそうになる。右手には竿を持っている。左手で、タモをつかむ。左後方に挿していたので、左から来る流れに対して、正面に向くように、体をひねっている。早く腰から抜いて、右手に持ち替えたい。しかし、水圧でタモがひねられ、抜けない。
モタモタしているうちに、立ち込む集中力が途切れ、足元が崩れ、流されかかる。こうなったら、タモは流れてもしょうがない。左手で岩の側面につかまろうとする。丁度いいくぼみがないので、そのまますべり、流されてしまう。下には、ガンガンの瀬。踏みとどまらねば。足を思いっきり踏ん張って、石裏に体をねじ入れる。ふっと抵抗がなくなり、バランスを失って、前のめりになる。倒れはしなかったが、ドライタイツを履いていたのに、中に水が染み込んできてしまった。ウェーダーだったら、どうなっていたことか。なんとかかんとか、オトリは無事回収。細いロープが石に詰まっていて、それにハリが引っかかったようだ。同じように、このロープに絡まっていたオトリが2尾も付いていた。一尾は形が崩れかけていたが、もう一尾は、元気。昨日、今日の根掛かりなのだろう。
かわいそうなので、彼らは自由の身にした。さて、回収できたのはいいのだが、困った。どうやって対岸に戻ろうか。
同じルートはダメなことはわかっている。下に行けばガンガン。100m以上続く長い瀬の中で、渡れそうなところを探すしかない。
一段ずつ上に移動しては、沖に出てみて、渡れそうかどうかを判断。今まで、この瀬は大体どこでも渡れたのだが、大水で石が流れたのか、どこも深く掘れ込んでいて、渡れる場所がない。
どんどん上って、やっと元の右岸に戻ることができた。気が付くと、上の淵が近い。ヘチの水量もかなりのものだったので、体力が奪われた。
驚いたのは、引き舟がなかったので、仕掛けに付けっぱなしにして、水面ペタペタの状態だったオトリが、たるみに入れると沈み、泳ぎ回っているではないか。
水温が低いとはいえ、アユの生命力には感心した。引き舟の場所に戻り、ちょっとだけ釣り続けたが、気が乗らず、竿をたたんだ。
やっぱり、川はたまに大水が出たほうが、いいようです。
川底にたまっていた砂は、大体流れました。川岸にたまっているところもありますが、状態は良好です。
ただ、自然のサイクルに合ったダム放水ではないので、低水温とあいまって、魚は落ち着かないのではないか、と思います。
梅雨が明けて、放水量が安定するまで、天国と地獄がはっきり分かれる釣り場になるのかもしれません。それから、今回は反省点もありました。
事故にはならなかったものの、瀬の中でバランスを崩して、ちょっと流されてしまいました。今までの経験だけで、流れを判断してはいけない、という見本です。
立ち込みには、細心の注意が必要だと、痛感しました。（後日註：本文では平水と書いてありますが、10〜15cm程度増水していたと思われます）