河川：匹見川 場所：匹見町付近（島根県益田市・匹見町・日原町） 時間：10:30〜14:00
天気：晴れ 水量：やや増水 水温：22℃ 水質：澄み
人出：多め 釣果：4尾（18〜20cm）楽しい匹見の釣りも、最終日となりました。
いつものように、漁協でオトリを買って（今日のオトリ選びはS先生）、匹見川を目指します。
さすがに土曜日です。これというところには、必ず2〜3人が入っています。車を停めて川を覗くと、惚れ惚れするのです。深い淵の底の石まで見えて、大きいアユがギランギランとヒラを打っているのが見えるのです。でも、先行者がいるので入れません。
今日も、上流の澄川発電所から下流の豊川発電所まで、行ったり来たり。「もうちょっと上に行って、場所がなかったらここにしよう」というキープポイントを作って移動するのですが、入れるポイントがなくて戻ってくると、すでに誰か入っていた、なんてことも。
そんなことばかりしていると、釣る時間がなくなってしまうので、淵を2つ控え、上には瀬、下にはトロという場所を見つけ、入ることにしました。すでに、おじいちゃんが一人いましたが、声を掛けると、「どうぞ」という返事だったので、お邪魔させてもらいます。
下りた目の前は、淵になっています。その上下に5mくらいの短い瀬。上の瀬は、大きい落ち込みと言った方が適切かもしれないほどの、急な流れです。
上の瀬ではオトリが弱ってしまうので、下の瀬をまずやってみることにしました。道楽亭鮎狂さんは、すでに竿を持って下流のトロへ向かっています。
私は、アブが恐いので、昨日買った虫除けスプレーを、体中に吹きかけます。その霧でむせるのもかまいません。そして今日は、S先生に長そでシャツを借りて、腕をガードしているのです。アブよ、掛かってきなさい！（ウソですよ・・・）
タイツにまでスプレーを掛けて、準備万端。左岸に渡って、釣り開始です。
道路の方から声がする。見上げてみると、おじさんが何かを言いながら下りてくるところだった。
「ここは、昨日船が入ったから、釣れないよ」なぬ？夜網？ちょうど竿を伸ばして、瀬を釣り始めたところだ。聞いてみると、「この辺は全部船を入れたから、あの淵の上じゃないと釣れないよ」という。道理で、私がオトリを入れたのにもかかわらず入れ掛かりにならなかったわけだ！？
さあ、困った。この場所をすてて、上へ行かなくては。
さらに困った。アブがやって来る！ブウーン私ブーウンの周りを旋回する。ひえー！慌てて右岸に戻り、虫除けスプレーを再び掛ける。虫除け効かない！これだけで、一気に汗だくである。下から鮎狂さんもやってきた。すぐ上のS先生と、三人で上に歩いて移動。
私は、とりあえず、もう一度虫除けスプレーを吹きかけて、後からついて行く。
鮎狂さんは二つの淵のすぐ上の瀬に入る。S先生はその上。ここは、釣り人が多い。遊びに来たついでに竿を持っている人や、岩の上からコロガシをしている人などが、30m間隔くらいで並んでいる。したがって、私はその上の場所を探すことにした。
しかし、場所がない！S先生の上は、岩がゴロゴロのチャラ瀬。水はチョロチョロである。その上を行くと、橋がある。さっき、その上から見たときには、アユが沢山いて、「ここはいい」と思ったのだが、実際来てみると、岩盤のごく浅いチャラで、釣りにくいのであった。
ここでも竿は出せず、左岸に流れ込む支流に入ってみる。ハミアトはあるが、こちらは電線が張り巡らされており、それが50m先のカーブを曲がるまで続いている。行ってみてもいいが、その先もこんな風だったら、と考えると、気力がなくなり、引き返してしまった。仕方がないので、S先生の上、岩の壁に流れがぶつかる流れと、それが落ち込んだ淵を狙ってみた。ここも、アユがいっぱい見える。
オトリを送り込むと、すーっと流れに入るが、沖に出て行かない。足場が悪くて、丁度いい竿角度が作れないのも一因だろう。しばらく粘ったが、釣れる気がしないので、ずっと下まで歩いてみることにした。
途中でS先生に状況を聞くと、「ダメだ。あの（対岸の）コロガシが、人の竿の目の前に来て仕掛けをドボドボやるから、釣りにならない」島根まで来ての混雑に、嫌気が指している様子。
S先生は、喧嘩になってしまうからと、はじめの場所を放棄して、鮎狂さんの上に入った。
鮎狂さんは、一人好調のようである。見てるうちに、ポンポンと数を伸ばしている。
私は、それを見ながら、下流へ歩く。
朝一に入った瀬に、アユが戻ってきていないか、と探ってみたが、川底の流木を掛けただけだった。胸まで浸かって、回収。そして、ようやく釣りになりそうなポイントを発見。今日は、何キロ歩いたことか・・・
長いトロの下に、立派な長くて広い瀬。近くに入川路がないのか、誰もいない。独り占めである。
川をよーく観察してみると、瀬肩の左岸際の石に、アカをなめているアユを発見。似ている・・・藁科川上流で、誰もいない平瀬で、岩を登り降りするかのようにしてアカをなめるアユ。そこにオトリを持って行き、同じように泳がせてやる。オトリが岩を登ったとき、後ろからそのアユが追跡、そして、威嚇のための体当たり。ギラギラ、ギューン！「やった！」心臓の鼓動はハイペースになり、それから、釣りの方もハイペースで掛かりだした・・・
「うっしっし！」一人川の真ん中でニンマリしながら、仕掛けをセットし、オトリにハナカンを通して、頭を狙いの石に向けて放つ。
運良く、オトリは思った通りに石を目指して泳ぐ。「そこだっ」目標に到達した、その時。
ギラギラギラ！狙い過たず、一発で掛かった。20cmに足らないくらいの小柄なアユだったが、真っ黄色の三ツ星アユである。
これは、幸先がいいぞ！オトリを替えて、再び左岸のヘチへ送り込む。
が、対岸では、それしか掛からなかったのである。おかしいのである。気がつくと、首が痛いのである。ヤツが、露出した肌を狙って喰っていたのである。ひどいのである。今まで気がつかないのも阿呆なのである。瀬肩は思ったより良くなかったので（アブがいたので）、本命の瀬に移動。
まずは、手前の瀬脇から入れてみる。グリグリ。おお、来た来た！瀬の中に入れないようにしながら、抜く。
オトリを替えて、また瀬脇。今度は石裏。ギューン。入れ掛かり！
でも、これが続かないのが、いつものパターン。瀬脇もダメ。瀬の流心もダメ。忘れたころに、ぽつり、ぽつり、ぽつり、と来るが、ぽろり、ぽろり、で1尾追加したのみ。
そろそろ帰る時間だ。竿をたたんで、お終いとしよう。
朝の場所に戻って、はじめにしたことは、虫刺されの薬を塗って、スプレー。気休めですが、少し落ち着きます。
まだ、S先生と鮎狂さんは、釣りをしているようです。
「どう？釣れるだろう？」これが、鮎狂さんの第一声です。私が釣果を伝えると、「ええっ！？それだけ？」ガガーンと打ちひしがれます。鮎狂さんは、なんと十数尾を釣り上げ、目の前でまた・・・
S先生も、朝の幻滅が続いたのか、不調。今日は鮎狂さんの一人勝ちでありました。「網が入ったすぐ上の瀬だから、アユがみんな避難して来て、集まってたんだな」S先生の分析です。
「鮎狂さん、良い場所に当たったね」というS先生に、「なあに、ちゃんと読んで入ったんですよ。場所見も腕、腕！」そんな楽しい釣り旅も、今日が最後なのです。
宿に戻って、一風呂浴びて、出発の時間です。お土産までもらい、宿を後に。空港に着いてから、レストランでビールを飲んで、つまみをつまんで、さらにカレーを食べます。羽田に着いた後も、バスでの移動なので、飲めるのがいいのです。
飛行機の中で、しばらくすると眠気に襲われ、一眠り。
うーん、と目覚めると、もう少しで羽田に着くころです。なんだか、のどが乾くような。と思っていたら、みるみる気分が悪くなってきて、普通に座っているのも辛いくらい。うへー。お二人がスチュワーデスさんを呼んでくれて、別の空いている席へ移動して、シートを倒し、座らせてくれました。嘔吐感はありませんが、辛いのです。すぐに水を運んできてくれて、喉に流し込むと、少し落ち着きます。
飛行機が着陸態勢に入り、シートベルトサインが出ますが、「シートはそのまま倒していて結構です」と気づかっていただきました。
おかげさまで、じきに良くなり、空港に到着する前には、元通りになっていました。一体、何だったのでしょう。「唇が青かったよ」ということでしたが・・・まあ、無事に到着することができました。色々なことがありましたが、楽しい旅となりました。また、来年も！