河川：那珂川 場所：町裏（栃木県黒羽町） 時間：15:00〜18:00
天気：晴れ 水量：平水 水温：22℃ 水質：ささ濁り
人出：多め 釣果：7尾（20〜21cm）お盆で里帰りです。
本日8月13日は、迎盆であります。ご先祖様を極楽浄土からお迎えして、お盆の期間中、一緒に過ごしましょう、という行事です。お墓に行って、道案内の堤燈を下げてきます。帰りは、ご先祖様を背負って帰ってくるので、体が重くなる、と言います。
ご先祖様に思いを致し、感謝し、殺生をしてはいけない、とされています。我が日本の良き伝統文化の一つです。
私も、その風習に従って、お盆の殺生は避けようかと・・・思・い・ま・す・が・・・どうも、お尻がムズムズするのです。どうしても、いかんのです。どうやら、アユ釣りの大好きだった、おじいちゃんの霊が、私の体を借りて、釣りをしたがっているようなのです。
ご先祖様のご指示とあれば、従わずには居れません。もう、昼をとっくに過ぎているのですが、さっさと荷物を車に積んで、川へと出掛けます。前日まで雨でした。本来なら、濁りの入りにくい上流部へ向かうべきですが、時間もないので、家から20分ほどの、黒羽町裏でやることにしました。
雨の濁りで、人は少ないだろうと見ていたのですが、どっこい、何で？と言いたくなるほどの人出です。お盆なのにねえ。ご先祖様もアユキチという方が、こんなにも多いとは。
濁りはありますが、水量は回復。チャラチャラしか流れていなくて、中洲ができていた那珂橋の下も、全面流れて瀬になっています。そこに入りたかったのですが、両岸から並んでいて入れません。橋の上の巨岩地帯（人工的に岩を入れた）を狙ってみることにします。
岸の方にまで岩があるので、ヘチの流れはほとんどない。立ち込んで、奥を狙わなければならない。階段があるところから、川へ下りる。一段、二段、三だズボッ！岩のせいか何なのか、急に深く掘れている。もう少しで転ぶところだった。
なんとか平成を装って、ポイントに立つ。川幅が広いうえに、大岩が水面に出ているので、いくつも流心がある。その一番手前の流れの、瀬肩を狙う。
上の平らな流れ（瀬とトロの中間くらい）にいる、蛍光色のウインドブレーカーを着たおじいさんは、那珂川風の天秤持ちをして、那珂川返しで、ポンポンと掛けている。型は、17,8cmといったところか。
私にも来るかな？と瀬頭から瀬の中へ落とし込むと、間もなく、ぐぐぐっ！下竿で構えていたので、一旦下らなければならない。胸まで入りながら、岩の脇を通って、その裏へ。（最近、濡れてばっかり）力みすぎて、肩口で受けてしまったが、20cmくらいの良型だ。元に戻るのが面倒なので、そのまま、そこで釣る。
と、ガツン！おお、調子がいい！アタリは良かったが、右岸ヘチ寄りの流れなので、すぐに石裏の緩流帯に寄せられ、楽に取りこめた。
今日は、いけるな。と楽観視すると、途端に釣れなくなるのが私のパターン、とは、以前に書いた気がするが、またその通りとなってしまった。この場所では、2尾止まり。それでも、水量が回復して、広い川になっている。竿が入っていないところは、至る所にあるだろう。
それを信じて、数ヶ所の移動。スジを変えながら狙ってゆく。
そして、何回目かの移動で、ようやく当たる。
ガツン！いきなりのアタリに面食らって、竿を持っていかれてしまう。おおい、待ってくれー！10mくらい引っ張られてしまう。しかも、岩がゴロゴロ出ているので、抜きづらい。なんとか、自分の下の流れのヨレに寄せてきて、抜きの構え。「このやろ、このやろ」と瀬を目一杯突き上げて、アユを水面から出す。穂先がノーマルの柔らかいものだったので、ぐんにゃりと曲がっている。えいと竿を後方へ倒して勢いを増すが、あえなく、手前でぽっちゃん。そのまま、掛かりアユは逃げていってしまった。
「うわー、もったいない」ちゃんと寄せて取れば良かったのに。ちょっと気落ちしたが、次のアユは、すぐやって来てくれた。今度も引きはすごい！上竿にして、竿を寝かせて耐えるのだが、ぐーっと持っていかれてしまう。糸はハイテク0.07号なのだが、無理はできない。やっぱり下って対応。そして、さっきの失敗をふまえて、自分がアユの下手にまわって、寄せ取り。ふう。
それから、ほとんど同じ場所で3尾追加。掛かるアユの元気が良くて、全て引き寄せで取り込みである。橋の上の釣りも一段落したので、入りたかった橋の下へ行ってみることに。
しかし、この時間（すでに午後5時半）なのに、ほとんど帰る人がいないとは。お盆なのに、みなさん頑張りますなー。と自分のことは棚の上。
右岸の岸には、数人の釣り人がいたので、左岸に渡って、深めの瀬を狙ってみる。
橋の上のような、すぐにアタリがあるようなことはなかったが、しばらくすると、ガガガ！といういいアタリ！よっしゃー！と竿を立てると、オトリだけが上がってくる。わー、バレた。逆バリチェックのために、引き戻してみると、なんと、ハリスが途中から切れている。もしかしたら、デカイやつだったのかも。右岸を見ると、目の前のホテルの宿泊客だろうか、数人が集まって、あちら側で釣っている釣り人と話をしながら、アユ釣り見物である。ようし、いいトコ見せてやろう。
石と石が作る瀬肩の三角、鏡になっている一級ポイント。元気なオトリを入れて、あとは、掛かるのを待つだけだ。型がいいから、釣れたらいいパフォーマンスになるぞ。
ところが、こんなにいい場所に入れているのに、追われる気配もない。気がつくと、対岸の数人は、どこかへ行ってしまっていた。うーむ、残念。
と思ったら、ガガガガガ！気を抜いたところで、しかも、急な瀬の頭だったので、一気に瀬の中に持っていかれてしまった。瀬が長いので、30mも引っ張られ、ようやく寄せて取り込んだのが、21cmのまあまあのアユ。息ははあはあである。知っている人が見れば、「下手っくそだなぁ」と見破られてしまうが、知らない人なら、「すごいアユだなぁ」となるところである。ギャラリーがいなくなって、釣れたのに、ちょっぴり残念な気持ち。このアユを繋いで、元の場所に戻って、再開。少しずつ下りながら釣ると、ガツン！と来たのは、アタリだけ。一瞬の掛かり、一瞬のバレである。
どうしようか、と考えたが、時計を見ると午後6時。そろそろ家に帰る時間だ。
濁りはありましたが、人の多さが、釣れていることを表していました。
全体的にはポツリポツリでしたが、掛かっている人は、いいペースで掛けています。見ていると、拾い釣りのような感じですが。上手い人なら、一日やって、30は下らないでしょう。
二日前の道志川と反対に、雨が降って渇水が解消、水温も適当になりました。それまで渇水高水温でだれきっていたアユが、シャキッとしたのでしょう。
まだ、新たに入れた大岩が川になじんでいない感じではありましたが。
那珂川黒羽町裏は、河川復旧工事が終わり、水が澄んで、二・三年が経って、流れが安定すれば、好釣り場に復帰することを、十分予感させてくれました。