河川：伊南川 場所：富田橋（福島県南郷村） 時間：11:00〜17:00
天気：くもり 水量：やや減水 水温：22℃ 水質：やや濁り
人出：少ない 釣果：5尾（20〜21cm）「今年は、伊南川へ行ってみようか？」と、前々から父と話をしていましたが、ようやく実現することとなりました。
栃木の家を8時前に出発。今後のために、と車の距離計をリセットして、自宅からの距離を測ってみます。
塩原を越えて、田島を抜けて、トンネルをくぐると、そこは伊南川でした。
マスターズで有名な宮里橋を、とりあえず目指すはずでしたが、初めての場所なので、突き当たりのT字路をどちらに曲がるのか、よく分かりません。私がナビゲーター役で、地図を確認しましたが、現在地が分からず、とりあえず「伊南村」の表示がある方へ曲がってみました。
ところが、宮里橋は伊南村ではなく、南郷村。側道をUターンとなってしまいました。ここで、ようやく現在地を確認。 距離計は約100Kmを示しています。来られない距離ではありませんが、一般道を通る釣行では、限界に近いところでしょう。伊南川は、只見川の支流ですが、支流とは思えないほどの規模があります。中流域の川相です。東北の川だから、さぞかしきれいな水だろう、と予想していたのですが、それほどでもありません。前の日に雨でも降ったのでしょうか。
川の両側に道路があって、橋がいくつもあります。良さそうな場所があったら、そこにしてみようというつもりで、何箇所も場所を見ながらの移動。さすがに、天下の伊南川だけあって、お盆過ぎの平日なのに、川に下りられそうな場所は、人でいっぱいです。あっちがいいかな、こっちがいいかな、と迷っているうちに、10時半を過ぎてしまいました。釣る時間がなくなってしまうので、オトリ店を探して、オトリを買っておくことにしました。
オトリ屋さんで聞いたところ、「この下の橋は、昨日30上げたっていう人がいたけど、他はほとんど釣れてないね。一日やって十釣れれば良い方じゃないかな？でも、魚はデカイよ」という。そのために、球磨川で使うつもりの仕掛けを持ってきているのだぁ。（というのはウソ。ほんとは、仕掛けを作るのが面倒だったので、あるのを持ってきた）
その30釣ったという場所ですが、さっき見てきたら、入る隙がないほど人がいたので、他の場所にしたいのです。川に下りられる場所を聞いて、冨田橋に入ることにしました。
ここは、川のそばまで車で降りられるのですが、人が少ない。またもや、いやな予感、ですが、時間もないので、とりあえずやってみます。
橋の上の平瀬にオトリを沈めてみる。丁度良く石が斜めに並んでいて、いかにも釣れそう、といったところ。
果たして、開始10分しないうちに、初伊南川アユのアタリ！・・・は分からなかったが、引き！グググググー。流れに乗って引き込む。
流れ自体はそれほど強くなかったので、その場で対処。竿の弾力でためる。そして、ようやくオトリの顔が見えるくらいになってきた。もう少し・・・ジャーンプ！ハリが外れて、オトリだけが勢いよく飛んできた。あああ、一尾目だから、もっと慎重に、寄せて取るくらいでも良かったか。反省である。それからしばらくはアタリが遠のき、次に来たのは、30分後くらいか。
今度も、アタリは明確でなく、いきなりゆっくりとした引きからやり取りが始まった。今度は、下りながら、大事に、大事に。オトリの顔が見えても、気を抜かない。やがて、掛かりアユが見えてくる。あ、これはいけない。エラ掛かりだ。慌てて掬いに向かう。なんとかバレずにタモに納まったのは、20cm超の良型。これが、伊南川のアユか、とまじまじ見たが、どうも色が白い。やっぱり追いは悪いのか。
やっぱり、追いは悪かった。上下に少しずつ場所を変えながら、対岸のヘチまで探っていったが、ここではもう出なかった。
とりあえず天然オトリが手に入ったので、橋のすぐ上のガンガンに入れてみることにした。分流がさらに分流して流れ込んだ辺りの、流れがゆるいところに立って、流心にオトリを入れる。ちょっと待つと、ぐーっと流れに引き込むアタリ！瀬なのに、ガツン！じゃないところが玉に瑕だが、引きの強さはなかなかである。
流れのゆるいところに寄せて抜きたいところだが、立っている下は大岩がゴロゴロで、アユが隠れてしまって抜きにくい。上竿のまま付いて下って10m。ようやく障害物がない場所に到着。さて、竿を立てようか、とした瞬間、つがーに（曲がっていた竿がまっすぐに）。またバレた。ハリは買ったばっかり、巻いたばっかりなのに、何故に？
「バレるは税金のようなもの」と、かの村田満名人はビデオの中で言っているが、私の場合、釣る数の割にバレが多い。よっぽど税率が高いのだ。バレた場所は験が悪いので、やや下に移ってみる。もちろん、ハリは新しいのに交換済みだ。
もう正午を過ぎているので、そろそろ昼飯だが、なんとかもう1尾追加してから休憩したい。
その願いが通じたのか、間もなくアユがやって来た。またまたアタリは弱いものの、引きはまあまあ。今度は下に障害物がないので、あまり動かずに取り込めた。
本当はこれで午前の部を終了するつもりだったのだが、1つ釣れればもう1つ。釣り人の欲深さが出て、そのまま続行。しかし、欲をかいてはいけないという神様からのお達しがあったので、釣れたはずなのに釣らずに昼食タイム。この時点で、父はゼロ。車で動く気はなかったので、午後は歩いて移動なのだが、さて「どっちに行く？」という父の問いに対して、「上がいい」
二人で上の瀬の付近に行ってみることにした。父は瀬の落ち込みの下のトロ、私は瀬の中と散って、釣り再開。
瀬の波立ちのところには、あまりハミアトがないようで、石の脇や裏のたるみを狙っての釣りとなる。
午後の前半はまずまず。
ヒマにならない程度にアタリがある。
午後1尾目は、大岩の裏のたるみで泳がせているとき、ギューン！この瀬も大きい岩がゴロゴロしているので、抜きは難しい。掛かったアユをその場にとどめておきながら、自分が下って取り込む。なかなかの運動だが、簡単に抜けてしまうアユよりは楽しい。
しかし、ここでもシビア。
アタリがあって（あまり大きいものではない）、ずーっと下って、ようやくアユが落ち着いたかと思うと、すっとオトリだけ浮いてきてしまうことが2回。掛かってくるアユも、口掛かりかエラ掛かり。あまり引かないので、取り込みは楽なのだが、伊南川の大アユのすごい引きを期待していた私にとっては、だいぶ不満。型自体は良いんだけど。
数としては、2時間で、午後3尾。バラシ2尾。全部取りこめていれば、まあまあの釣果ではある。釣りながら下のトロの状況を見ていると、地元のおじさんらしい人が、ポツリポツリではあるが、私の倍くらいのペースで掛けている。
トロの方が良いのかなあ、と、私もトロに入ってみるが、音沙汰ナシ。瀬よりもトロの方がテクニックがいる。私には、それがない。指をくわえて見ているだけなのである。ずっとガマンの時間。ガマン、ガマン。ガマン、ガマン。・・・えええいっ！もうやめた！
というのは、父も同じだったようである。私が竿をたたむのを見ると、やはり、竿をたたみはじめる。終了！
下にいたおじさんは、やっぱり地元の人で、話を聞くと、釣れ具合は悪いようです。いろいろとうんちくを言ってくれましたが、もう、覚えてません。釣れないので、悔しさだけ。
車で着替えをしていると、栃木ナンバーの釣り人が上がってきて、「釣れないけど、型はいいねえ」という。朝からやっていて、数は不満らしいのですが、型は満足したようです。「28cmが出たよ」といううらやましい話。
それくらいのが出れば良いけど、20cm越えれば、まずまずの型ではあるけれど、はるばる100Kmもやっってきて、この釣果ではなあ。やはり一桁釣果の父も、同じ意見であるようでした。