河川：成瀬川 場所：不明（秋田県東成瀬村） 時間：9:00〜14:00
天気：晴れ 水量：やや増水 水温：19℃ 水質：澄み
人出：わずか 釣果：1尾（19cm）7時。携帯のアラームで目が覚めました。セットした覚えがないのに、ちゃんとセットされてます。昨日は、どうやって帰ってきたかも、分からないのです。多分、また相当飲んだのでしょう。
目覚めましたが、次の瞬間、気が付くと、また携帯が鳴ってます。今度は、アラームじゃなくて、電話が掛かってきたようです。
「すぐ出られる？」という、なるせさんからの電話でした。時計は、たしか8時くらいだったと思います。ありゃー、寝過ごした。
「あと30分くらい」と答えて、すぐに一階の食堂に行く・・・前に、体重を軽くしておきます。食堂に行くと、すでに、他のお客さんたちは朝食を済ませていたようで、残っていたお膳は一つだけ。
急いで食べていると、また携帯が。
「起きてるー？」オサムさんです。急がなくちゃならないのに、ちょっと話をしてしまいました。
その数分後、今度はなるせさんから、「もうすぐ着くよ」の電話。朝から汗をかきながら飯を食べ、部屋に戻ります。支度をしていると、電話。「着いたよ」
焦ったら、また催してきて、トイレへ。
すっかり、遅くなってしまい、なるせさんに迷惑を掛けてしまいました。今日は、2週間前にオサムさんが基地にしていたポイントに入ります。
この淵の下に行こう、というなるせさんの勧めで、淵を越えて、岩盤地帯に入ります。「下にいい瀬があるから」ということでしたが、先に、お客さんがいたので、私はそのずっと下を目指します。思えば、昨日はラッキーだったのかもしれません。
いくら盛りを過ぎたとはいえ、ここは東北、アブ地帯。しかも、体はアルコール漬けとなっている私です。ヤブの脇を通り抜けた途端、ブウン、ブウン。ヤツらがやって来たのです。しかも、十数匹束になって。うわわゎゎーと一目散に岩盤を走って逃げますが、ヤツらも付いて来ます。とうとう、どぼん！と水の中に胸まで入ってしまいます。
ところが、ヤツらは諦めません。まだ周りをまわっています。「やめろー！やめるんだー！」発狂寸前です。玉網を虫捕り網にして、やたらめったら振り回します。1,2分の格闘の末、全てのアブを確保。あまりに勢い良く振り回していたので、タモの中で、アブが全滅していました。
これで、一安心。なるせさんによれば、「アブは、石の間とかに巣食ってるから、川の中にいれば、寄ってこないよ」ということだったので、岸には近づかず、川の中を歩きます。
ようやく、対岸に玉石の瀬がある場所を発見して、ここに落ち着きます。引き舟を、岸近くに素早く沈めて、また川の真ん中に戻り、竿を伸ばします。
これで、釣りができる状態ですが、ここまで必死で来た疲れと緊張と、昨日の酒も出てきたのか、のどが渇いて仕方ありません。500mlのスポーツドリンクを飲み尽くしてしまいました。
まだ渇きは癒されませんが、とりあえず竿を出します。
まずは、瀬肩の鏡でオトリを泳がせる。しかし、糸が太い上に、昨日釣ったオトリが小さいと来ている。さらに、どう見ても、ハミアトがない。
従って、釣れない。そのうち、オトリが2尾とも泳がなくなり、瀬肩の釣りを断念する。
こうなったら、一発狙いで、オモリをかませて、瀬に入れる。しかし、ここでも、はじめはちゃんと泳ぐ気配があったオトリだが、そのうち流れに負けて、竿先が曲がり始める。こりゃ、ダメだ。と、ここも断念。新たに場所探しをすることにした。この下は、川幅5mくらいに絞り込まれていて、対岸の護岸の上には、木が生い茂っている。竿を伸ばしたまま移動するのは危ないので、竿をたたんで、一旦、身一つで（護身用タモは装備）下のポイントを見に行くことにした。
でも、ここでも、またアブが！「うわぁ、ひえぇ、やめろぉ」と半狂乱になりながら、タモを振り回す。なんとか勝利をおさめたが、もうここ通りたくない！はじめの淵の上流の、開けた瀬に行くことに決定した。なるせさんが釣っているところに到着するまで、ヤツらの襲撃に二度も会う。もう、へとへと。
なるせさんが、「この淵やってみて」というので、やってみる。「鮎三郎ちゃんに釣らせようと思って空けといたから」という一言を添えていただいた。私が釣れないのを分かっていて。イジワル。
案の定、釣れない。どころか、マイナスである。壁に流れがぶつかる場所に入れたら、一発根掛かり。水深は2〜3mありそうなので、泣く泣く、仕掛けをちょん切る。
これで、集中力もちょん切れて、「やっぱり上の瀬に行きます」となってしまった。
途中で、後から来た飲み屋のマスターやお客さんたちと言葉を交わすが、釣れてないのは、当然私だけ。みんなから姿を隠すように、角を曲がった上にある瀬に突入。ここならば、普段釣っている釣り場に似ているので、なんとか野アユを確保できるかな。
ただ、ハミアトは見られるのだが、広い瀬肩の中の、深い筋の、頭の方の石にしかない。それを確認するのに、川の中に入ってしまったので、対岸の同じような場所を狙うことにした。
しかし、さっきコキ使ったオトリなので、泳ぎはよくない。瀬肩のチャラなのに、オモリ着用である。こういうときには、背バリのほうがいいと思うのだが、いつものように持ってきていないので、オモリでがまんなのである。
釣れない→釣れない→釣れない→釣れない、と移動を重ね、荒瀬まで来てしまった。
こうなったら、2号玉を2つくっつけて、強引に沈めて釣ってやる！一つはオトリの20cm上、一つは鼻先に。底石も大きいのでここまでやれば、さすがに沈む。
その証拠に、ほら、根掛かり。やってしまったー！途中まで、果敢に流れの中に入っていったのだが、危険を感じて、回収を諦め、仕掛けを切る。何をやっているのか。時計は12時ちょい前。下流を見ると、みんなが上がってきている。私も竿をたたんで、合流。場所移動だそうだ。
途中で車をとめて、アスファルトの上で昼食。皆さん不調のようだが、確実に数を釣っている。さすがだ。
秋田県人どうしの会話は、私にはちんぷんかんぷん。「・・・だくゎあ」「〜〜だびゃあぁ」私に向かって話してくれる言葉は、標準語に近いので解るのだが。
そのうち、どうやら、次の場所が決まったらしい。後片付けをして、支度をして、出発！午後は、帰りの電車の時間があるので、1時間半の予定。
橋の脇から川に降りる。また、一番いい場所を私に空けてくれた。橋の上の瀬の瀬肩。いかにも、釣れそうではある。
ところが、ここでも、「ヤツら」だ！移動途中にもブンブン。川の中でもブンブン。しまいには、お○っこしている最中にも来やがるのだ。ひえぇ〜。しかも、今回は、島根でもお世話になった（？）でっかい黄色いヤツもやって来た。ええい！やあっ！仕掛けを出す前から、大格闘である。
そんな状況なので、釣りに集中しきれない。オトリは、新しいのをもらったので、元気なのだが、私が元気じゃない。常に、ヤツの恐怖におびえながら、なのである。
それでも、気力を振り絞って、あっちこっち探ってみるが、出ない。
ようやく、1時間くらいしてからビクン！というアタリがあった。よしっ！とこちらを見ていたなるせさんに笑顔で応え、引き抜きの準備。思ったより引かないので、すんなりと抜けてきた。それもそのはず。口掛かりである。うーん、ズドンというアタリを待っていたのに。でも、野アユは確保。これで、いけるか。
でも、いけなかった。
オトリはもちろん元気だが、いかんせん、私が元気じゃない。何故か？ヤツが来るからである。とうとう、喰われてしまったからである。
オトリがいいトコに入ったな、と思っていると、竿を持つ腕がちくちく。目を遣ると、ぐうわぁ！やられた！まだたかってる！慌てて、喰われた腕をブルブル振って、もう一方の手で払いのける。しかし、にげられた・・・くそやろー！（あ、お下品）
ここで、大失敗に気付く。ヤツにばかり気を取られていて、オトリがなおざりに。「ほったらかしなんだもん」と、すっかりグレてしまった。ごめんなさい。こうなったら、気分一新。ちょっとだけ下に移動して、違う場所を狙ってみる。もちろん、オモリ使用。
なるせさんが、様子を見に来てくれた。「あそこで入れ掛かりだよ。見てたでしょう？1匹デカイのが来たなあ」冷やかしである。私は、「やっと1匹釣れただけですよお」
そして、オトリを出して、流れに入れる。途端に、ガツガツ！じゃなかった、ブンブン！ひゃー（こればっかり）、タモで払いながらの釣りである。まだ、釣っているときは、程度がいい。ヤツに気を取られているうちに、すぐにエビになって、それを手元に持ってきて、ハリを外そうとすると、一気にヤツが襲いかかってくる。うわっ！とハリを外せないまま、オトリを放り出して、直立不動の姿勢。一旦追い払って、再びハリを外そうとしてかがむと、やってくる。作業ができん！
「だいじょうぶだよ」となるせさんはあきれ顔だが、私はまじめ顔である。必死である。
結局、作業は立って行うことにした。まごまごしているうちに、ハリはオトリの頭に深くささり、さらにぐったり。
こんなことの繰り返しで、ちょっと続けたが、帰る時間が迫って来た。そろそろ終了だ。
今回の成瀬川は、かなり期待していただけに、結果には不満だらけです。同行してくれた方々が、みんな名人級なので、さらにそれが強調されます。まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ未熟なのです。
でも、本来の目的は、酒を飲むことでしたから（？）、そっちは大満足の秋田でした。
大不満と大満足で、帰りの新幹線では熟睡。気がついたときには、大宮。
いやいや、充実した週末でした。しかし、アブのヤツにはてこずりました。今回は、全くやられっぱなし。このままで終わっては、男が廃る。この借りは、必ず・・・来年は、絶対に、絶対に・・・・・・アブの時期には来ないようにしよっと。