鮎三郎ヘボ日記

2001年9月7日（金）　雨後もきれい

河川：川辺川　　場所：五木郵便局前（熊本県五木村）　　時間：9:00〜12:00
天気：晴れ　　水量：減水　　水温：測定せず　　水質：わずかに濁り
人出：わずか　　釣果：5尾（17〜23cm）

　昨日の雨の影響が心配されましたが、さすが川辺川です。薄いささ濁り。でも、本流はどうか分からないので、今日は一日川辺川での釣りとなります。

　向かった先は、昨日アユが沢山見えた、五木村の郵便局前。発電水放水口の上、五木の子守唄公園付近では、水はチョロチョロとしか流れていませんが、ここはたっぷりの水量です。青々とした水が流れています。
　本当は、この時期ですから、トロを釣った方が釣果は期待できるのですが、目の前にいい瀬があるので、ついつい、ふらふらと。

　

　mura1130さんは、瀬尻からトロにかけて、Tさんは、この瀬の上の瀬へ。
　昨日のギラギラアユが頭に残っていて、入れ掛かりを期待してしまう。急いでハナカンを通して、流れに放つ。さあ、来い！
　すぐに、竿がぎゅーんと曲がる。おおっ、来た！mura1130さんに。竿のタメを利かせて、慎重に取り込んでいる。次は、私の番だ。
　そして、しばらくすると、ギューン！来た！また、mura1130さんだ。さすがである。こんなに上流で釣りをすることなど、ほとんどないだろうに。

　私の方は、期待とは裏腹に、静かに時が流れて行く。タバコを吸う習慣があれば、もう3本は突破しているだろう。
　そこへ、来た！アユじゃなくて、対面におじさんだ。おじさんは、堤防の上に乗っかって、オトリを引きながら釣っている。そして、どんどん釣り下る。しばらくすると、ビニール袋にアユを入れて、またやって来る。それを何度も繰り返しているので、すごい釣果だ、と思ったが、実はオトリを運んでいるだけであった。釣れないので、他人の観察ばかりしてしまう。
　しかし、今度こそ、本物。私の竿にアタリが伝わって来た！オトリが弱ってきていたので、流心の手前のヨレに入れていたら、ぐわん！と引っ張られた。一尾目なので、慎重に寄せて、タモに入れる。入れた瞬間、ぷわーん、とスイカの香り！酔ってしまいそう。

　それから続けて攻めてみるが、それまで。Tさんも釣れていないようで、釣りを半ばで中断して、周辺で石探しをしている。この辺の石は、独特の形をしていて、面白いのだそうだ。いい石を見つけたらしく、20Kgはあろうかという石を、一人で車まで運んでいた。「今日は大収穫だ」と嬉しそうである。
　私は、アユの大収穫を目指さねばならない。釣れない瀬を後にして、上流の橋の下に移動。
　昨日、橋の上から見たのは、流心を越えた向こう側のたるみ。なんとかオトリを入れようと努力するが、目の前の流れはガンガン。流されるかどうかというギリギリまで立ち込んで、片手で竿を持って、目いっぱい腕を伸ばす。しかし、50cmあれば届くところまで行くのだが、あと一歩及ばない。無理すれば入れない流れではないが、入った後の脱出ができそうもない。無念だが、手前の流れを探ることにした。
　渓流相の川なので、大岩ゴロゴロ。流れに落差があって、千変万化、腰まで入ると、立っているのも容易ではない。時々岩につかまったりしながらの釣りとなる。
　そんなところで、大岩の脇で、ガツーン！来た！流れが絞り込まれているので、引きが強い。しかし、ギリギリまで立ちこんでいるので、ついて下がることもできない。「クォノヤロー！」と踏ん張って、かなりの下竿から強引に抜く。所々岩が水面に出ているし、すぐ上が橋のため、返し抜きもできない。一発集中！
　ドスン！と来ることを期待したのだが、ストッ。とタモに入った。20cmないくらいのおチビだったのである。それにしては、すごいパワーだった。もちろん、香り抜群である。　しばらく続けたが、続きがなかったし、疲れてきたので、さらに上に移動する。

　テトラで護岸されているので、流れは弱くなっているはずだが、所々で踏ん張らないと流されそうになる。苦労して、なんとか良さそうな場所に到達。
　トロ瀬だ。2mくらいの水深がありそうだ。5号のオモリをかませて、オトリを送り出す。竿を立てて、糸を張ると、それでも、オモリを背負って泳いでくれる。小さいのに、並のパワーではない。
　私も負けずに、胸まで入って釣る。その甲斐あって、23cmを筆頭に3尾追加。数こそ少ないが、いいアユである。
　下を見ると、mura1130さんとTさんが休憩中。そろそろ移動かな？と私も戻ることにした。しかし、またテトラ際を通って、ガンガンを通って戻るのはしんどい。目の前が深瀬なので、流されても岩にぶつかって怪我をすることはない。思い切って、泳いで渡ってしまった。結構暑かったので、気持ちよかった。対岸にいた漁師のおじさんに、道路へ上がる場所を教えてもらい、二人に合流。mura1130さんも5尾、Tさんは石が収穫、という状況であった。

　

　昨日は、結構な雨だったのですが、さすがに川辺川上流。水はきれいで、アユもきれいでした。ちょっと、冷たかったけど。ダムができたら、ここも深い湖の底に沈んでしまうのです。道への上がり方を教えてくれた漁師さんの仕事場も、昨日のさわやかな中学生の勉強の場も、五木村の歴史が、みんな沈んでしまう。なんだか、しんみりもしてしまうのでした。

　とりあえず、午前中の釣りはここで終わりにして、下に移動することにしました。
　昨日と同じように、Tさんがいい思いをしたという場所を探しながら、車を走らせます。見つかるといいのですが。

ここが今日のポイントです	雨の後なのに、水は澄んでいます

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2001年9月7日（金）　だまされた

河川：川辺川　　場所：五木村（熊本県五木村）　　時間：13:00〜14:00
天気：晴れ　　水量：減水　　水温：測定せず　　水質：澄み
人出：なし　　釣果：0尾（-）

　ずーっと下って、もうすぐ相良村、というところまで来ました。旧道に下りて、「あれ、ここかなー？」「こんな感じだったなあ」と、Tさんの記憶を頼りに、思いでの場所探しです。
　昨日は通れたところが、土砂崩れで通行止めになっていたり、上の道と旧道とを行き来します。そして、ようやく、「ここだ、ここだ」とある高い橋の上。巨岩がゴロゴロしている場所です。
　橋の上から川を眺めてみると、キラッ、キラッ！「いるいる！」私とTさんは大喜びです。そんな中、一人mura1130さんは、「あれはイダだ」と冷静です。でも、ここまで来たのだからと、一応竿を出すことにしました。

　橋の上に、河原まで下りられる道を発見。途中に車を止めて、歩いて川を見に行ってみます。
　どんどん上流まで歩いて行ったTさんが、戻ってきます。「ヘビ！」うへぇっ。それを聞いただけで、私は上流に行けなくなってしまいます。
「大丈夫だよ。あそこの岩の向こうっかわ見てみな」勇気を出して、そーっと近づいて見てみると、でっかいアユが数尾、悠々と泳いでいるのが見えます。ヘビがいるが、アユもいる。よし、やってみるか。

　

　Tさんはさっきの岩のところに、飛んで行く。私は、ヘビが恐いので、川に下りて目の前の大淵から釣りはじめる。
　ここは、周りに民家がないのだが、舟が置いてある。しかも、最近使った形跡がある。こんなところにも、漁師さんが来て、仕事をしているのだ。
　とりあえず、オトリを流れに放ってみる。すーいすーい。手前から奥まで、じっくりと泳がせるが、前アタリも感じられない。ここは、アユがいないのだろうか？

　mura1130さんは、我々二人が弁当を食べているときに運転してくれているので、釣り場に着いてからの昼食だ。毎回お世話になっている。そのmura1130さんが、このとき昼を食べ終わって、私の裏を通って、下流へ向かっていく。私も、それを機に、下へ移動することにした。

　さっき橋の上から見たとき、橋の上のトロの右岸の流れの流心でキラキラとやっていた。そこを狙う。そろそろとポイントの下に回り込んで、泳がせていく。が、流れが弱いので、なかなか思ったように泳いでいってくれない。
　苦労して、苦労して、ようやくポイントに到達したが、オトリはゆっくりと泳ぎまわるだけで、またしてもアタリがない。うーん、こりゃいかん。さっさと移動。

　橋の100mくらい下流に、mura1130さんがいる。私は、橋のすぐ下の、やはりキラキラしていた場所に入ってみる。
　ザラ瀬が斜めに落ちてくる、幅5mくらいの、細い瀬である。長さも10m強。オモリを付けたり外したりしながら、しつこく狙ってみる。
　と、ようやく、ギラギラ！ぐるんぐるんという振動が竿から伝わってくる。型は良さそうだ。このとき、Tさんが上流から下ってきて、私が引っ張りっこしているのをじっと見ている。
　型は良さそうなのだが、どうも元気がない。掛かりどころが悪かったのか？えいっと引っこ抜いて、飛んでくる魚をタモで受ける。という瞬間に、タモを引いてしまった。魚体が黒い。そして白い。さらには赤い。イダだ。はあっ。Tさんがそばにきて、「あははっ！」と一笑である。
　それからちょっとのあいだ、いろいろと探ってみるのだが、アタリはあのイダだけ。

　どうやら、mura1130さんの読みが正しかったようだ。三人とも、ここでの釣果はゼロ。イダにだまされた！1時間弱で移動しようとなってしまった。

　

　せっかくの、Tさんの思い出の地。川の相も良かったのですが、アユが釣れなければしょうがありません。時計は3時を指しています。戻りながら場所を探しましょうということで、相良村まで下ることにしました。

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2001年9月7日（金）　今日も気持ちいい

河川：川辺川　　場所：相良北中学校前（熊本県相良村）　　時間：14:30〜17:00
天気：晴れ　　水量：減水　　水温：測定せず　　水質：わずかに濁り
人出：なし　　釣果：3尾（15〜20cm）

「この辺にいい場所があったはず」宿から数Kmのところ、mura1130さんとTさんが、以前に釣りをしたことのある付近までやって来ました。
　中学校の周りで、川に下りられるところを探しますが、なかなか見つかりません。「中学校の中を通って行った覚えがあるなあ」とTさんが言います。ええ、そんなことできるのー？という感じでしたが、とりあえず行ってみよう、というわけで、相良北中学校の中に車で入っていきます。
　我々は、毎日釣りをしているので、世の中も休日かと錯覚していたのですが、実は、今日は平日。道理で、生徒が沢山いるわけです。
　車を校舎脇にとめさせてもらって、釣りの格好で、オトリ缶をしょって、校庭の端を通ります。
　丁度体育の授業をやっている最中でした。先生もいたので、怒られないかな？と内心思いましたが、皆さんの口から発せられた言葉は、「こんにちはー！」「こんにちはー！」でした。先生よりも先に、生徒の方が率先して挨拶をしてくれます。すっかり、気持ち良くなりました。

　校庭脇には、川に下りるための出入り口があって、そこを抜けると、目の前が河原です。こんなところで授業を受けられるから、素直で元気な子供に育つんでしょうね。

　さて、ちょっと気分が良かったので、川見がてら、目の前に広がる大淵で水泳。これまた、気持ちいい。
　川の状況は、所々黒々としていて、アユはいそうです。私が一等場所をとらせてもらって、釣り開始です。

　

　淵が絞られた瀬肩。ここが一番黒光りしている。「ここで釣れん人は、ダメだなー」とmura1130さんにプレッシャーを掛けられる。
　気合いを入れて、オトリを入れる。と、すぐに、ガツガツ！ギューン！おお、やっぱり来た。20cmくらいの、小さめのアユだ。
　オトリを替えて、再び送り出すと、また、すぐ、ギューン！アユ釣りは、場所だね！と気分が良くなる。それを証明するように、次も間をおかずにやって来た。ここだけでツ抜けも夢じゃないかな？
　ところが・・・
　しばらく間が空いて、次のアタリ。今度のは、小さいらしくて、あまり引かない。その場で簡単に抜き上げると、15cmくらいのチビである。そのアユを見てみると、背骨が曲がっている。最近珍しい奇形アユだ。
　このアユが釣れてから、ペースダウン。というより、ぱったりとアタリが途絶えてしまった。

　上の淵尻を釣ってみたり、瀬尻まで下ってみたり、移動して釣ってみたが、全くダメ。そのうち、mura1130さんとTさんもやって来て、終了となった。

　

　9月に、五木村の上流部で、まだまだ十分アユ釣りになる、ということに、びっくりしました。それでも、友釣りでは掛かるアユの数は多くありません。網では毎日沢山とれているのに。
　やっぱり、そろそろ友では難しい時期なのでしょう。

　さて、いよいよ、明日が最終日。気合いを入れて！飲みましょう。（残った日本酒を飲みきらねば！）