河川：那珂川 場所：余一やな上（栃木県黒羽町・那須町） 時間：14:00〜16:00
天気：くもり 水量：やや増水 水温：測定せず 水質：ささ濁り
人出：なし 釣果：0尾（18cm）九州から帰ってきて、腑抜けのようになっています。
先週は、釣りインストラクターの合宿で丹沢に行くので、ついでに酒匂川でアユ釣りをする予定でしたが、台風の影響が残っていて泥濁り。全く釣りになりませんでした。
原因は、三保ダム（丹沢湖）に溜まった濁りのようです。丹沢湖に流れ込む三川は、どれも澄みきっていて、ダムの水との堺付近は、模様のようになっていて、はっきりと水質の違いが分かります。ダムの水が澄むまでは、あと何週間掛かることでしょう。
アユ釣りができないので、中川川の上流でヤマメ釣りをしましたが、ガクン！と一度アタリが来ただけ。それも取れませんでした。
そんなこともあって、欲求不満がたまって、たまって、たまりすぎたのと、九州の釣りが忘れられなかったことで、腑抜けになってます。（前置きが長い！）丹沢の合宿から1週間が経った今でも、我が中津川の流れは茶色です。台風からは2週間経ってます。何度も言っているように、ダムができると、こうなのです。
丁度、実家に用事があって、秋分の日をはさんだ三連休に、栃木に帰ることになりました。9月の下旬ですから、那珂川はそろそろ秋風の吹くころです。アユとのアイの語らいも、あと少し・・・
ですが、とりあえず、竿を持って帰省。竿があれば我慢ができないのが、釣り人の常。寒い中、やっぱり川に出かけてしまいました。那珂川上流部は、9月になると、釣りをする人がめっきり減ります。今は、9月下旬。ほとんど貸切状態で釣りができそうです。
夏の大アユが忘れられなくて、まずは鍋掛に行ってみます。昭明橋の上から見ると、釣り人がいません。本当に貸切ですが、いやな予感。
ちょっと戻って、オトリ屋さんに行ってみます。不安を覚えながら、声を掛けます。「オトリありますか？」答えは、予想した通りでした。「あるけど、ずっと前のオトリだから、他に行った方がいいですよ」釣り人が少ないので、店じまいなのです。鍋掛のオトリ屋さんがやってないなら、上流も可能性が低いだろうと、下流に向かいます。5分ほど走って、寒井に到着。観光やななら、お客さんに食べさせるアユが置いてあるだろうとの予測です。
果たして、ありました。塩焼き係のおじさんがアユを抜き取っている水槽から、オトリをもらいます。食用アユなので、泳ぎはどうなのかな？と心配ですが、オトリを確保できただけで良しとしましょう。
最近の調子を聞くと、「人が来ないから、どこが釣れてるか分かんないけど、あのあたり（と上流の瀬尻を指差す）には、ナメがあったよ」台風以来、水は澄んできたのですが、水温の低さで、アカがつきにくい状況のようです。
早速、教えてもらった場所に行って、釣りをはじめます。
くもりで気温も低いので、今日はドライタイツ。10月までがんばろうと思っていたのだが、寒さに負けた。
よーく見ると、ハミアトらしきものが、所々にある。アユかどうかは分からないが、魚もたまに跳ねる。全く釣れないことはないだろう。流れの緩いところでオトリをなじませて、流れのヨレに持って行く。ヨレならば、食用アユとは思えないほど、元気に泳いでくれる。ハミアトがあるのは、瀬の脇の大岩の周り。水深は、1.2mくらい。
じーっくりと、イライラするほどゆっくりと、泳がせて、野アユとの接触を試みるが、ここまで残っているアユは百戦錬磨。「いることは分かってるんだ！両手を上げて出て来い！」と脅してみても、「那珂川のアユは、ヘナチョコオトリにも突っかかってこられないほど弱いのか？」と挑発しても、全然乗ってこない。
しまいには、こっちが我慢できなくなった。上流へ移動。チャラ、瀬と釣り上るが、全くアタリがない。それどころか、ハミアトもない。これは釣れんわい。と思いつつ、なんとなく竿を出してしまう。
台風で石が流されたのか、瀬の中に大きい石がない。小石がびっしり。オトリも止まれない。岸も安定していないのか、見てる間に、ポロ、ポロ、と崩れるところもある。ここに来て、ようやく、決心がついた。また、はじめの場所に戻る。戻って、またヨレを辛抱強く攻めたが、掛かる気配はゼロ！とうとう立ち込んで、流心を狙い始めてしまった。
さすがに、食用ちゃんは、瀬の流心では安定してくれない。オモリを付けて、やっと沈む程度。ここでは、粘れない。
水には濁りが入っていたので、深さは分からない。しかし、隣の芝は青い、対岸のポイントは釣れる。である。幸い、私のいる右岸側の下流は、大きなトロになっていて、流されてもなんとかなる。ええい！っと思い切って入っていく。
ヒヤヒヤしたが、入ってみたら、腹までしか水がなかった。一安心。
移動中ももったいないので、竿を出しながら、川を渡る。
もう少しで、対岸に着く。とそのときに、竿が重くなる。ゴミだ。とりあえず、対岸まで渡りきってしまって、竿を持ち替えて、回収作業。竿を上げて、抜いて取れるかどうかを確認。
すると、ゴミが、すいっ、すいっ、と横移動する。あんれえー？さらに竿を上げてみると、オリーブが見えた。あ。アユ。
下流からの風が強かったので、竿を立てると、そのままライナーで飛んできた。すかさず、タモ、は出さずに、上流に落とす。18cmのアユ。この寒さにしては、白いきれいなアユだ。この偶然掛かってしまったアユをオトリにして、瀬を攻める。この時期、瀬にいるのか？ということは、知らない。とにかく、瀬で釣りがしたい！の球磨症候群が発症中なのだ。
アタリも引きも弱かったアユだが、野アユなだけあって、オモリを付ければ、荒い瀬の中でも潜っていってくれる。2つの巨岩で絞られた流れの中、その下の開き、脇のヨレを、ゆっくりと攻める。でも、来ない。
あまり荒いところにばかり入れていると、せっかくの天然オトリが弱ってしまうので、移動することにした。瀬の下を渡って、やなの下まで移動。対岸が崖になっている、深い淵。そこには、大きい岩盤があって、いかにもアユが溜まっていそう。5号のオモリをくっつけて、おりゃっと投げ入れる。すすすーっと潜って、オモリを引っ張って泳ぎ出す。
すすー、すすー、ガリ。
しかし、ものの数分で、ハリが岩盤を捉える。引っ張ったり、緩めたりしても、外れない。取りに行こうにも、深くて近寄れない。しまった。
仕方なく、糸を持って、引っ張る。一瞬糸が張って、ブツン、という振動が伝わってくる。さよなら、オトリちゃん。まだ養殖ちゃんが2尾残っているのだが、日も傾き始めたし、なによりも風が冷たくて、耐えられなくなってきたので、早上がりをしてしまった。
帰り道、町裏も見てみましたが、人はいませんでした。でも、水は澄み始めていますので、余笹川の濁りもとれてきたようです。
台風の増水で、流れが変わってしまった場所も、ちらほら。
下流部では、まだまだ良い釣りができているようですが、那珂川上流の黒磯地区は、もう店じまいの風情です。